先日、NHK-TVでやってた「人体」に関するドキュメンタリー番組の事を書いたが、その1月7日のテーマは「骨」で、どうやら3番目のテーマらしかったので、それ以前の動画を探してみた。
プロローグ的な番組紹介の回があった後、去年の10月1日放送の特集第一弾は「腎臓」だった。
「肝心要(かんじんかなめ)」というが、元々は「肝腎」と書いたらしく、今も「肝腎」と書いても間違いではないらしいんだけど、「肝腎」の意味はご存知の通り・・
<〔肝臓と心臓,あるいは肝臓と腎臓は,人体にとってきわめて重要な部位であることから〕 特に大切なこと。非常に重要なこと。また,そのさま。肝要>であり、使い方としては< 「何よりも基本が-だ」 「 -な事を忘れていた」 >etcである。
ことほど左様に、肝臓も心臓も腎臓も大事な臓器なんだけど、その中でも腎臓は人間の生命にとってとっても重要な臓器であることが近年の研究で明らかになってきたというお話でありました。
この回のサブタイトルは「腎臓”が寿命を決める」。
ゲストは北島康介と石原さとみだった。
腎臓と言えば全身の血液から老廃物を取り除く処理をして、余った水分をオシッコとして出している、その程度の認識だったけど、山中教授の最初の発言から驚いた。
なんと、人間は一日に180リットルの尿を作っているんだと。
我々は一日に180Lのオシッコはしてないから、どういうことかというと、まず原尿という尿の元を作る工程があってその量が180Lという事で、実際にオシッコとして体外に出てくるのはその1%という事。99%は再吸収されるんですな。
この原尿から必要な成分を調整して、180リットルの99%を血管に戻すのが腎臓の最も重要な機能であるわけです。
そして、これが重要なんだけど、この成分調整のために腎臓は人体の様々な臓器と情報交換をしているんですね。心臓、肝臓、脳、胆嚢・・・。
握りこぶし大の腎臓にはなんと人体の血液の4分の1が流れているそうですが、上に書いた機能の事を考えれば納得であります。
例えば心臓。
心臓が「疲れた」というメッセージを発すれば、腎臓は血液中の塩分を減らして血圧を下げる。
また、オリンピックの水泳選手なんかが酸素の薄い高地で練習をするけれど、あの時鍛えられているのは実は腎臓で、血液中の酸素が不足しているというメッセージを受け取った腎臓はEPOという物質を出して骨に伝え、赤血球を増やしているんですね。
ニュース等で訃報が読まれるときに死因として「多臓器不全」とありますが、どうやらあれは腎臓が関係しているらしいです。
先にも書いたように、腎臓は他の臓器と情報のやりとりをしているが、相手側の臓器に異常が発生した場合に、それは腎臓にも悪影響が出、更に腎臓がそれによって酷い損傷を被った場合には、すべての臓器にも悪影響が出てくる。これが多臓器不全に陥る理由なんだそう。
つまり、今回のテーマ「腎臓が寿命を決める」の理由だったんです。
出来るだけ腎臓に負担をかけない生活をすることが大事だが、先ずは不要な薬は飲まないという事。
多くの血液を必要とする腎臓には薬というのは非常に負担なんだそうで、必要な薬は勿論飲まないといけないけど、飲まなくても大丈夫な薬は極力飲まない事。
入院すると心拍数や血圧など循環器系の数値をはかる機器が付けられますが、今後は腎臓に関するデータを監視する機器を付けようとするトレンドがあるらしい。それだけ重要な臓器であることが分かって来たということでありますな。
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