NHK 人体~「脂肪と筋肉」
最近この話題に興味をもっているので、引き続き特集の第2弾。この回は「脂肪と筋肉」でした。
例えば、運動をするとリパーゼという酵素が出て脂肪を燃焼してくれる、なんてことは知っていましたが、もっと新しい情報が出てきました。
最初に出てきたのは「脂肪萎縮症」という難病をかかえた幼児。1歳と数か月の赤ん坊なんだけど、確かにしゃべると普通の赤ちゃんのような可愛らしい声なんだけど、体に脂肪がないために、いわゆる赤ん坊のようなふくよかな柔らかい印象の見た目ではない。
で、もっと驚きなのがその食欲。一度食べ始めると際限がない。なので見た目は痩せているのに、血糖値は基準値の1.5倍、中性脂肪にいたっては20倍以上になるらしい。
何故かというと、それが体に脂肪がないせいらしいんですな。
体についている脂肪細胞は必要な栄養が取り入れられたら、レプチンというメッセージ物質を脳に送って、もう食べなくてよろしいというらしいんです。「脂肪萎縮症」の患者にはレプチンが出来ないためにいつまでも食べ続けてしまう。
この事を発見したアメリカでは、「脂肪萎縮症」の患者にレプチンを投与するという治療法がすでに出来ているようです。
山中教授によれば、脂肪細胞からは600種類のメッセージ物質が作られているようですが、中には免疫細胞に対するメッセージもあるようで、まだまだ研究段階のジャンルらしいです。
さて、今度は筋肉。
最初に登場したのは、通常の倍の筋肉が付いた牛。これは筋肉が出すメッセージ物質のうち、ミオスタチンというのが出ないのが原因らしい。筋肉が沢山つきすぎるのはエネルギーの浪費になるので、通常はこれ以上は筋肉をつけるなというメッセージが必要なんだけど、この牛にはミオスタチンが無いためにこのようになったらしい。
筋肉が出すメッセージ物質の研究も最近のトレンドで、筋肉が様々な機能をもっているのも分かってきたらしい。
運動をするとカテプシンBという物質が出るんだけど、これは記憶力に関連しているようで、運動と記憶力を測る実験をしてみると、明らかに運動をした方が記憶力は上がるとの事。観察をすると、運動によって海馬の神経細胞が増えているらしいんですな。但し、これには反論を唱える研究者もいるらしいです。
この回のゲストにはオードリー春日と宮川大輔がでてたけど、春日はボディビルダーとしての経験を参考に話してました。
例えば、ボディビルダーは発表会の前は脂肪が少ないせいか、体力が弱っている人が多いとのこと。脂肪細胞が免疫力に影響を与えていることへの実感でしょうか。
何かと食べ過ぎている宮川大輔の疑問も出てくる。
自分には十分に脂肪がついているはずなのに何故食べ過ぎてしまうのか?レプチンは出てないのか?
まだ確証は掴んではないみたいですが、幾つかの理由は考えられるようです。
これは観察でもしっかりと分かっているんだけど、肥満の人も脂肪細胞が沢山あるので、通常の人よりもレプチンは出ている。しかし、どうやら血管の中に脂肪がありすぎて、レプチンが血管から出れなくて、脳細胞まで届いてないらしいんですな。また、脳細胞に行きついても神経が鈍くなっていて、ちゃんとメッセージを受け取っていないと考えられるようです。
もっと怖いのはメタボ。
脂肪細胞が免疫細胞と連携しているのは分かってますが、メタボになると余分に入ってきた脂肪を外敵と免疫細胞が誤解し攻撃するのが怖い。
免疫細胞は脂肪を取り込んでやっつけようとするけれど、取り込み過ぎてパンパンになった免疫細胞は爆発する。そうすると、血管の中に免疫細胞が持っていた攻撃用の物質が拡散して血管壁を傷つけるのです。怖いですなぁ。
では、この免疫の暴走を止める手立てはないのか?
これがあるんですな。
運動です。
アメリカの女性博士の研究で、ある程度の運動の後には筋肉から「IL-6」というメッセージ物質が出てて、これをメタボの人に投与すると、免疫細胞が出していた「敵がいるぞ」というメッセージ物質の量が大幅に減るらしいんです。
「IL-6」は以前は免疫細胞を活性化する作用があって、時に免疫の暴走にかかわっているとして悪者のように見られていたのに、最近の研究で良い作用にも働いていることが分かってきたとの事でした。
やっぱ、運動は人間には必要なんだね。
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